みなみinfo

農に生きる

他産地との差別化
グロリオサ出荷連合 片山裕隆さん

炎の揺らぎのような独特な花びらとエネルギッシュな色合いが特徴的で、一度見たら忘れられない花、グロリオサ。

 

 

向山町に立ち並ぶ施設群の一角でグロリオサを栽培する片山裕隆さん。ご両親の代からグロリオサの栽培を始め、30年以上になります。裕隆さんは長男ということもあり「後を継ぐもの」と自然な流れで考えていたそうで、農業高校・農業大学を卒業し、20歳の時に就農、現在ではご両親と奥さまと4人で経営しています。「僕らの時代は就農が多かった」と話す裕隆さん。就農当初を「学生の頃から手伝っていたし、大変さは感じなかった。花の出荷日から逆算して仕事のローテーションが確立していたから、遊ぶ予定も立てやすかった」と話します。

 

 

グロリオサ栽培の特徴の一つとして球根栽培があります。グロリオサはユリ科のため、種や苗ではなく球根からの生育となり、種苗会社でも扱っていないので、自前で生産・管理しています。「種苗代のコストがかからないと言えば聞こえは良いけど、全て自己責任。病気で全滅もあり得るし、保障も無い」と言います。一旦グロリオサの収穫が終わると全て掘り起こし、次期作の球根の選別を行います。裕隆さんは「良い球根からは良い花が育つ。良い球根の選別が良いグロリオサを栽培する秘訣」と断言します。

 

 

裕隆さんが所属するグロリオサ出荷連合では、他産地の強豪に打ち勝つため、中・小輪系のグロリオサのブランド化に力を入れてきました。球根を自主生産している強みを活かし、部会が一体となりオリジナル品種の開発や、高品質な花の出荷を徹底することで差別化を図ってきました。その努力が実を結び「中・小輪系のグロリオサならJA愛知みなみ」と言われるほど市場評価も上々だと笑顔で教えてくれました。

 

 

今後の目標として「海外への輸出」と意気込む裕隆さん。その独特な花姿は海外での人気も高く、昨年オランダの歴史ある品評会で同部会の仲間が最優秀賞に輝くなど追い風も吹いています。「アメリカや中国だけでなく、ヨーロッパや中東も視野に世界的なブランドになっていきたい」と夢を広げる裕隆さん。それでも「まずは良いグロリオサを安定的に作ること」と足元もしっかり見据え、話してくれました。


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