みなみinfo

農に生きる

『手間暇かけて』
田原カーネーション部会 河合年宏さん

河合年宏さんは、奥さんとご両親と約920坪の施設でカーネーションを栽培しています。カーネーション栽培は、ご両親の代から始められたそうで、19歳の時に就農した年宏さんはカーネーション一筋35年の大ベテランです。カーネーション栽培はイメージの通り『母の日』の需要に向け、作付します。一年一作のため、6月下旬に定植し、9月下旬頃から出荷がスタート。クリスマス、卒業式といった需要期を経て、『母の日』を迎えます。最近では、2月14日に大切な人に花を贈るフラワーバレンタインが定着しつつあり、新たな需要も生まれているそうです。

 

 

花の出荷時期を調整するのに欠かせないのが芽掻き作業。需要期から逆算して、必要な芽だけを残します。茎が曲がってしまうなど品質にも影響するため機械化が難しく、人の手に頼る作業となり、細心の注意を払います。「全て計算通りとは行かないけど、手間暇かけた分きれいなカーネーションになる」と笑顔で教えてくれました。

 

 

田原カーネーション部会は、現在9名の生産者が所属しています。主要産地の一つとして、バランスの良い出荷が出来るように部会員同士が話し合い、色や咲き方などタイプが被らないよう栽培品種の選定を行っています。市場からのニーズも加味しながら「赤・白・ピンクといったスタンダードなものが人気らしい。自分は赤系が好きなんだけどね」と年宏さん。

カーネーション産地が全国的に減っている中で「みなみの存在感を出したい」と意気込む年宏さん。部会内の情報共有や目揃会の定期開催など「出荷量を増やすことは難しいけど、一本一本の品質を高めたい」と部会員の栽培技術の向上、意識の統一を心がけます。

 

 

将来の目標を尋ねると「規模拡大や、機械化などは難しいね」と苦笑する年宏さん。「農業は毎年環境が違って、『上手くいった』という年は無い。毎年が試行錯誤の繰り返し。マメにほ場を巡回して、『手間暇かけて』品質を少しでも高めていきたい。そのためにも『健康』でいることが大事かな」と笑って話してくれました。

 


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