みなみinfo
渥美スプレーマム出荷連合に所属する鈴木大地さんは、両親、パート1名、実習生2名の計6名で夏秋系を6品種、秋系を5品種栽培しています。栽培品種の選定について「栽培のしやすさではなく、市場で評価されている物やお客さんが求めている品種を栽培している」と教えてくれました。特に鈴木さんが栽培する「セイバイピコ」という品種は、栽培の難しさから生産者が減少し、現在は部会で唯一、鈴木さんだけが栽培しています。
鈴木さんは農大卒業後、5年間農業関係の会社に勤め、25歳のときに就農しました。小学校2年生のときの文集に”将来は農家を継ぐ”と書いていたそうで、「親の背中を見て育ち、継ぐことは当たり前のことだと思っていた」と鈴木さん。ご両親の代から始まったスプレーマムを引き継ぎ、さらに規模拡大を目指しています。
スプレーマムを栽培する上で最も重要なことを尋ねると「セル苗定植後、2週間の水管理がスプレーマムの出来を左右する」と教えてくれました。植えてから完全に根が張るまでの2週間で、どれだけほ場全体にムラなくしっかりとした根を張ることが出来るかが重要だそうです。そのために、頭上灌水を天候に合わせて5日おきに適宜行っており、現在、水管理のマニュアル化を目指し行動しています。
また、鈴木さんはパイプから毎日液肥を与える『点滴土耕栽培』を行っています。この栽培方法によって肥料代が節約となり、また土壌の過乾燥と過湿を防ぎ水分状態が一定になることで病害虫発生の抑制にも繋がり、更には等階級の底上げにも繋がるそうです。
「農業は、出せば売れる時代ではなくなった。国産の生産量が減少する中、業務の最大効率化とマニュアルかを行い、いずれはフランチャイズ化することで、国産の減少に歯止めがかかるのではないかと考えている」と話す鈴木さんは、今後の農業経営について真摯に向き合い、将来を明確に見据えたより良い経営方法を日々検討しています。