みなみinfo

農に生きる

花業界全体を盛り上げたい
鉢物部会 渡辺雅哉さん

鉢物部会に所属する渡辺雅哉さんは約2000坪の施設で、父、従業員2名、パート2名、実習生6名とともに約40品種のアジサイを栽培しています。その中の一つ「プリンセスシャーロット」は、花弁の中心に向かって濃くなるグラデーションと、いくつもの花びらが重なって咲く「八重咲き」が特徴で、全国で数件しか栽培されておらず珍しいため、取引先からの要望が多い人気の品種です。

 

 

アジサイは挿し木で増やすため、栽培環境によっては多くの株が傷んでしまうこともあり、ある程度成長するまでは気を抜けず、育成途中の管理は品質の良いアジサイを届けるための大切な作業です。また、花を咲かせすぎたり、水を与えすぎたりしてしまっても花が傷む原因になるため、出荷前の管理も特に注意しているそうです。

その他にも、通常1鉢あたり6~7つの花房を付けるところ、9つの花を付けるように工夫しているという渡辺さん。その理由について「小さな花の方が可愛らしいけど、花が小さいと花房も小さくなり寂く見えるため、ボリュームを出している」と教えてくれました。

 

 

鉢物部会では、生産者自身が卸売業者や量販店へ商品を卸しています。渡辺さんは「取引先から依頼のあった数量を確実に出すことが大切」と話し、前年度の売れ行きを参考に翌年の栽培数量を決定しています。また、毎年開催されるトレードフェアに参加し、卸売業者や仲卸業者との情報交換を通じて最新のトレンドや市場のニーズを把握し、次の栽培計画に役立てているそうです。

 

渡辺さんに家庭でのアジサイの楽しみ方を尋ねると、咲いた花をドライフラワーにすると2段階で楽しむことができお勧めだと教えてくれました。また、5月頃に購入したアジサイは、お盆前に剪定し、肥料を与え土が乾いたら水やりをすることで翌年も楽しめるそうです。

今回の取材で渡辺さんの「花業界全体が盛り上がり、後継者がやりたいと思うような職業になってくれたら嬉しい」と語る姿がとても印象的でした。


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