みなみinfo
甘みと香りが強く、肉厚でジューシーな果肉が特徴のタカミメロン。今回、取材させていただいた川口正哉さんは、タカミメロン研究会に所属し、両親、妻とともに5反の面積で栽培しています。タカミメロンは、2月に育苗しその後、定植を行い交配後50日で収穫を迎え、出荷は5月末から7月上旬まで続きます。
栽培はハウスから徐々に露地へと切り替えていきますが、露地栽培時の苦労について川口さんは「交配を行う時に霧が発生してしまうと上手く着果しない。天候はどうすることもできないし、時期をずらしたとしても、後々手が回らなくなってしまう」と天候の影響について話します。その他にも、交配後の小さな実の状態はカラスに食べられたり、雨の跳ね返りにより病気が発生しやすくなったりするなど露地栽培ならではの苦労、被害について教えてくれました。
そういった被害を出さないためにも、トンネルの上にネットを覆いカラス被害の対策を施したり、病気対策として降雨後には欠かさず消毒を行うなど、細心の注意を払います。こういった栽培環境や天候に合わせた管理を行うことで、品質の良いタカミメロンが出荷されています。
タカミメロン研究会では、バラ選果を行っているため、生産者が収穫したタカミメロンは、そのまま集荷場に持ち込まれ、JA職員によって品質の検査が行われます。「第三者の検査によって等階級が決まる。自分で見るよりも厳しいからこそ統一された品質のタカミメロンが出荷される」とバラ選果の良さを教えてくれました。
現在、研究会の代表を務める川口さんは、昨年、研究会では初めてとなる消費宣伝を開催しました。川口さんは「実感としては多くのお客様に購入していただいた。今後も消費宣伝を行って消費者にタカミメロンの美味しさを知ってもらう機会を作っていきたい」と話し、やりがいを感じるとともに、タカミメロンの認知拡大への思いがさらに強くなったそうです。
最後に今後について尋ねると「生産コストが年々上がり、価格転嫁できていないのが現状。この状況を少しでも改善していけるように努力したい」と力強く語ってくれました。